ゆるく、キリマンジャロへの道

重量に逆らい、食材を山に持ち込み続ける 変態(隊)パーティーの記録。

ゆるく、キリマンジャロへの道

アフリカ大陸最高峰、キリマンジャロを目指したい。
いつか。そう、いつの日か。

重量に逆らい、食材と機材を山に持ち込み続ける、
変態(隊)パーティーの記録。


”死の行軍”と執念のカレー自炊 〜瑞牆山・金峰山縦走〜(1)

人の記憶は時間が経つほどに、ある一点だけを強調したまま風化すると言う。

それは、極度に美化されるか、またその逆もしかり。

 

我々のパーティーにとって未だに強烈に記憶に残っている山行がある。

呼び起こされる記憶は、単に”つらさ” の一点のみ。

色々なことがあったと思うが、もはやその印象しかない。

 

「山で何かを作って食う」ということに

悪い意味で自信を持ち、ハマり始めた頃の、”一番調子に乗っていた頃”の話。

 

今回はそんな頃の話をひとつ。

 

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謎の重装

2,000m級の山を数本こなし、山に食材を持ち込むことにすっかり慣れ、

自信と心地よさを感じ始めていたころ。

 

今度は山でカレーを作りたい。

平地キャンプでやっている、本格的なカレーを。

タマネギもニンジンも。一から煮込む。

そして飯ごうも、鍋も持ち込んで作ってみたい。

 

まさに無知ゆえに無敵の発想。そんなことを漠然と考えていた。

 

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頭の中のイメージはまさにこれ。平地のキャンプを山に持ち込む、という無謀

 

そして我々は当時、”縦走”というものをしたことがなかった。

それもやってみようと。

 

”縦走”をする、という表現に憧れ、

なんとなく候補に挙がったのが山梨の北西部に位置する、

瑞牆山金峰山のルート。

 

ここを、鍋やら飯ごう、バーナーにボンベ、そして食材・酒をもりもり担いだ、

謎の重装備にて1泊2日で攻める。

 

今思えばこれはもはや山行ではなかった。”行軍”に近い。

自己満足と、自信過剰さゆえの目的なき行軍。

 

この”行軍”は今のところ、我がパーティー最悪の記憶となって

おのおののハートに刻まれている 。

  

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愛すべきギアたちが心を揺さぶる



”行軍スタート”

 

瑞牆山(2,230m)、金峰山(2,599m)はいずれも

山梨北西部・奥秩父の山域に位置する山塊。

れっきとした百名山であり、山頂からは富士山や南北アルプスを見渡せる。

 

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瑞牆山全景(Wikipediaより転載)

 

未明の中央道から須玉ICで高速を降り、

5時前に登山口である瑞牆山荘へ。ここの無料駐車場から全てがスタートする。

 

この日の参加者は4名。

登山前に全員の持ち物チェック。

 

鍋(カレー用)

飯ごう

バーナー×4

ボンベ×4

クッカー×4

タマネギ(冷凍)

ニンジン(冷凍)

豚肉(冷凍)

米(三合)

水(料理用)

水(飲料用)×各人

酒(芋焼酎800ml)

 

全員が全員、”山で何かを作りたい”という気持ちが強すぎて、

どうしても一人一台、バーナーとクッカーは絶対持ち込んでしまう。

これはどうしてもそうなってしまう。いまだに。

 

で、全員がどこかでそれを使う場面を探して、

毎回おのおの、「ちゃんと使う」。

 

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なので、この日も機材はもちろん、食材についても

誰からも減量の突っ込みが入ることなく、全て山へ持ち込むことに。

強いて言えば、酒の量が多いのでは、という異議はあった。

が、それも束の間、一笑に付されて終わる。

繰り返すが、無知とは無敵だ。無敵艦隊だ。

 

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登山口の瑞牆山荘。ここに無料駐車場がある(YAMAHACKより引用)

 

かくして、空が明るくなった午前5時半。

無知で無敵の行軍はスタートしたのである。

 

 

瑞牆山

山梨県北杜市(旧北巨摩郡須玉町)にある標高2,230mの山で、奥秩父の山域の主脈の一つ。旧須玉町域の最北部にあたる。日本百名山のひとつ。全山が黒雲母花崗岩で形成される。南西部は風化や浸食の影響を受け、独特の岩峰が聳える景観を作っており、地元ではコブ岩と呼ばれる。

 

Wikipedia

金峰山

山梨県甲府市と長野県南佐久郡川上村の境界にある標高2,599 mの山である。別名「甲州御岳山」。山頂部は開けていて360度の展望があり、「五丈岩」という大きな岩がある。

Wikipedia

 

 

”死の行軍”と執念のカレー自炊 〜瑞牆山金峰山縦走〜(2)へ続く