”山メシ”への目醒め:大菩薩嶺(2)
”バーナーで何かを沸かし、クッカーで何かを作る”。をやりたいだけ。
小さい頃・・・遠い記憶の中で見た丸大ハムのCM。
「わんぱくでもいい。たくましく育ってほしい」のフレーズをバックに、
親子が山を登ったり、川をカヌーで下ったり、、とにかく野生感あふれたCM。
そこで”山で何かを作って食べてる”映像が
妙に美味しそうで、子供ながらに、いつか俺もやってやると。静かな憧れの存在でした。
あれから数十年。
沸々と地下水脈のように心の中に溜まった思いが、中途半端に吹き上がると人はどうなるか。
そう、まずは形から入るんですね。
とにかく、道具を買いそろえる。(このときはバーナー)
そして、何かにつけて、火をつけたがる。
ただの休憩ですよ。休憩。
ちょっと休むだけですよ。それなのにね。
「じゃ、飲んじゃいますか。コーヒー」なんつって、バーナーで水沸かし始めちゃう。
結局それがやりたいだけなんですね。
そのシチュエーションにすべてを賭ける、みたいな。
むしろそれをやるために山登ってます、みたいな。
(そして今もそれは変わってないです)
大菩薩×すき焼き
バーナーだけでなく、クッカーも使いたいので、当然山メシにもこだわります。
我々のテーマ、それは山メシにどこまで命を賭けられるか。
いま様々な山を登って、毎回そこだけはこだわって来ている自負があり、
ゆくゆくここでも取り上げていきたいと思います。
”とりあえず”のマルタイラーメン
登山口から歩き続けて約5時間、大菩薩峠にある山小屋「介山荘」まで辿り着いた我々は
宿泊手続きを経て、一目散に山小屋前のベンチで”昼ごはん”を作り始めます。
昼ご飯はラーメン。
みんな大好きマルタイラーメンを持ち込み、
チャーシュー、ネギ、など具もラップに冷凍で包んで持ち込むこだわりを見せたのでした。
足下をトレッキングシューズで攻めて来たこだわりの無さからは想像も付かないでしょうが、
食べ物には、こだわるのです。
夢の”天空すき焼き”
そして夕方まで仮眠を取ったのち、
夕飯時、他の宿泊者が食堂に向かうのを背に、我々はまた外のベンチへ。
ほどよく解凍された冷凍肉、ネギ、しいたけ。
そしてそこにどこからともなく取り出した割り下。
そう、すき焼きです。
(あと卵があれば完璧だったが、さすがに卵は割れるので持ち込みに苦慮)
おそらく、大菩薩ですき焼きをイチから作ったパーティーは
そうはいないでしょう。
しかし、どんな材料であれ
ジップロックに冷凍状態で持ち込めば何とかなる、といったことを学んだ山行でもありました。
あとは重量とのにらめっこ。
荷物の軽量化を取るか、山頂での食の贅沢を取るか。
我々はいまでも、断然後者なのである。
■スケジュール
- AM6:00:新宿駅集合、車で中央自動車道を西へ。
- AM8:00:裂石登山口駐車場より、登山開始。
- AM8:30:千石茶屋
- AM9:40:ロッヂ長兵衛(上日川峠)休憩
- AM10:20:大菩薩峠自然遊歩道散策
- PM12:00:富士見平
- PM12:20:石丸峠
- PM13:10:大菩薩峠
- PM13:25:大菩薩嶺(2056m)
- ※介山荘(大菩薩峠)にて宿泊。
- ※翌日大菩薩嶺より丸川峠〜裂石ルートにて下山。
参考:大菩薩峠・介山荘
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