ゆるく、キリマンジャロへの道

重量に逆らい、食材を山に持ち込み続ける 変態(隊)パーティーの記録。

ゆるく、キリマンジャロへの道

アフリカ大陸最高峰、キリマンジャロを目指したい。
いつか。そう、いつの日か。

重量に逆らい、食材と機材を山に持ち込み続ける、
変態(隊)パーティーの記録。


槍ヶ岳でカオマンガイをつくる、の巻(2)

 

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先に言っておこう。

 

槍ヶ岳におけるカオマンガイ
これはいつになく最高の出来だった。

 

飯ごうをガラガラいわせながらバックパックに背負い、
これをバーナーで沸騰させ、米を炊く。

 

高地は言わずもがな気圧が低い。よって沸点も低い。
槍ヶ岳山荘は実に標高3080mだ。

 

自分で言うのもなんだが、
ここで炊飯を成功させるのは割と難易度が高い。
だが何回も山で米を一から炊いているうちに感覚が宿った。

 

勘だ。

 

誰にも共有できないし、引き継ぐ事も出来ない。
勘で米を炊いている。

 

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愛すべき相棒たち。こいつらをガチャガチャいわせて山に持ち込むのだ。


カオマンガイ×槍ヶ岳


カオマンガイ、今回は
事前に家で仕込みをして持ち込んだ。

レシピは以下の通り。

 

■材料
鶏もも肉:1枚(これを細かく切って冷凍。登山中の解凍を狙う)
・米:2合
・水:2合よりもやや少なめ
・塩:一つまみ
・鶏ガラスープ:小さじ1
※塩と鶏ガラスープはあらかじめ混ぜて持参

 

■タレ
・醤油:大さじ2
穀物酢:大さじ2
・すりおろし生姜:小さじ2
・ごま油:小さじ2
※これを事前に混ぜ、ペットボトルに入れて持参。

 

当時は夏場。
鶏の持ち込みにはやや勇気が要ったが、
冷凍に加え、ジップロックに保冷剤をぶちこんで持ち込んだ。

 

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鶏はあらかじめ冷凍。登山中の解凍を目指す。

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冷凍鶏を詰める。ジップロックが便利。

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タレ。醤油・酢・すりおろし生姜・ごま油を混ぜる。

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混ぜたタレはペットボトルで持ち込んだ。


そして8時間半の熾烈な山行を経て、(前回参照)

槍ヶ岳山荘到着は17時過ぎ。

 

着くやいなや、さっそく調理を開始する。

 

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飯ごうに米、水、塩と鶏ガラ、解凍された鶏ももをぶち込んで炊く。

 

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夕日に照らされる槍のピーク。

美しいその姿をバックに、ひたすら炊く。

 

・・・寒い。

 

夏なのに気温は1ケタ台だ。

 

・・・炊く。

でも寒いので飯ごうを置いて山小屋に引き返す。
しばらくして戻る。夕日の槍を見上げる。
・・・飯ごうを見守る。

 

でも寒いから小屋に戻る。
焼酎を飲む。炊いているのを忘れて慌てて戻る。

 

・・・なんてことを繰り返しているうちに、
フタからあぶくが滴り落ちる。湯気が出てきた。
かすかな米の匂い。

 

ここからはしつこいようだが勘だ。
勘でここぞというタイミングで飯ごうをひっくり返す。

 

しばらく蒸らしてフタを開ける。

・・・・・・・か、完璧だーー!

 

繰り返すがこれは勘だ。

勘なので誰にも引き継げない。
コツは墓場まで持っていくことになるでしょう。

 

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そして、言っておく。
炊きあがりは最高だった。だが、写真が最悪だった。

 

寒すぎた。

 

寒すぎて、見栄えを整える気持ちがゼロだった。
結果、生ゴミみたいな見栄えになってしまった。

 

でもね、旨かったのよ。ほんと。旨いのよこれ。
ぜひ皆さんも試してください。

 

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槍ヶ岳山荘。有料ですが水も買えます。

 

槍ヶ岳登頂

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さて、話は本題の槍ヶ岳登山。

 

夜明け前に目が覚めた。
ふいに外に出てみようと思った。

 

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山荘から、まだ暗い槍ヶ岳山頂を見上げると、
ヘッドライトがチカチカ、山頂を目指して登っている。

 

こんな未明から?あの断崖絶壁を?真っ暗なのに?
命知らずもいるもんですね。やはり経験がなせる技なんでしょうね。

 

まだ槍ヶ岳お初なこちらとしては、ただ驚くばかりでした。
技術と勇気に敬意を表したい。

 

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さて、すっかり夜も明けて朝。
我々もいよいよ槍ヶ岳山頂を目指す。

 

メットをね。借りられますよ。山荘で。

 

というか借りるか持参しないと山頂を目指すのはダメ。
命に関わります。

 

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ハシゴを登る途中、ちらっと脇をみると小槍が。


外から見てると、こんな断崖を登れる気が全くしなかったのですが、
いざ登り始めても、そんな気はまったくしませんでした。

 

ほんと、割とずっしりと”切迫した命の危険”を感じた。

 

下を見るとさっきまでいた山荘があんなに小さい。

 

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岩場を鎖を伝いながら、そして時には素手でよじ登る。
ハシゴは垂直。本当に垂直。

 

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ここにハシゴを掛けた人を心からリスペクトしたい。
そう思いながら一歩一歩、極めて慎重に山頂を目指す。

 

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ーーーーーーそして山頂。

 

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槍ヶ岳、標高は日本で5番目。
3180mの頂からは、北アルプスが一望できるのはもちろん、
遥か八ヶ岳、富士山までもうっすらと。

 

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空気が澄み切っておりました。
本当に、空気が澄んでいた。なんだろう。あの空気は。

 

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ああ、ついに槍を登ってしまった。
次はいったい何を目指せばいいのだ。
そんな喪失感さえ芽生えるくらい、なんと偉大な山なのか。

槍ロスです。


でも次はもう少し腕を上げて、
別のルートでぜひ槍にアプローチしたいもの。

 

リメンバー、槍。

 

そして次は、もう少し、飯ごうの写真をちゃんとしたい。
その思いも込めて。

 

 

槍ヶ岳でカオマンガイをつくる、の巻(1)

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アルプス一万尺の「アルプス」は
日本アルプスのことであると知ったのはつい最近のことだ。

 

一万尺=約3030m、
日本アルプスの山々の標高がだいたい3000m級であることを考えると
なるほどそういうことなのか、と。

 

ちなみに
アルプス一万尺、こやりの上で、アルペン踊りを踊りましょ」

 

の「こやり」は
槍ヶ岳のそれであることも。

 

こんなところで踊るなんて。なんてワイルドな。

 

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うわさの”こやり”。槍ヶ岳中腹に存在する断崖

 

 

そんな話はともかく、
槍ヶ岳

 

山に心奪われるものにとって、
これほど心揺さぶられる山があろうか。

 

天を突く「槍」のピーク、
そのシルエットは北アルプスの中でも圧倒的な存在感を放つ。

 

そうだ。槍へいこう。そう思い立った。


槍へいくのだ。

槍で、カオマンガイを作るのだ。

 

というわけで

今回は槍でカオマンガイを作る話です。

 

上高地は遠い。


今回のチョイスは上高地ルート。
本来は2泊3日のところを休みが取れなかったので強気の1泊2日で攻める。
泊地の槍ヶ岳山荘まで、片道11キロ、実に9時間。

そうすると、逆算して登山口の上高地には6時。

 

未明、漆黒の新宿。
計画的な我々は、逆算に逆算を重ね、
午前3時、上高地へ向けて颯爽と出発した。。。

 

はずが、盛大に寝坊をしたので仕切り直し。

 

空も白みかけた午前5時。
遅ればせながらもわれわれは一路中央道をかっとばし、
目を充血させながら上高地へ向かったのだった。

 

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上高地手前の大駐車場。マイカー規制につき、ここから公共交通機関に乗り換える。

 

「え、いまから?」

 

当然されるであろう最初のリアクションはタクシーの運転手さんでした。

 

上高地はご存知の通り
一般車輛の乗り入れが不可。

 

よって手前の駐車場に車を止め、バスかタクシーで上高地入り。
我々は沢渡の、大駐車場からタクシー。

 

信頼と実績のアルピコタクシーの運転手さん。
今日はどこまで?と聞かれて、「槍まで」と。

 

「ああ、槍沢ロッジに泊まるのね?」

 

と聞かれて

「いえ、槍ヶ岳山荘まで一気にいっちゃいます」

と言った時のリアクションが最初のそれでした。
まあそうでしょうね。

 

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信頼と実績のアルピコタクシー(お世話になったので宣伝)


なお沢渡の大駐車場から上高地まではタクシーで4500円。
まあ複数人で乗り合えば妥当な値段だと思います。
(タクシー会社により変わる可能性あり)

 

上高地周辺料金案内|アルピコタクシー株式会社

 

上高地コースの序盤は平坦。早歩きでタイムを縮める

 

そんなこんなで登山開始は9時ちょうど。
河童橋を越え、目の前に雄大穂高連峰を見ながら、
梓川沿いをずいずい進みます。

 

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上高地登山口バスターミナル。ここから大いなる山行のはじまりだ。

 

今回のルートは
上高地から徳沢、横尾を経て、槍沢ロッジを抜けて
槍ヶ岳へ向かうルート。槍の登山ルートとしては一番危険が少ないルートながらも
一番遠回りなルート。平均タイムは9時間とのことでした。

 

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前述の通り、
普通は槍沢ロッジで1泊、槍ヶ岳山荘で1泊、
計2泊3日なんですよね。

 

開始時間が遅かったので槍ヶ岳山荘に相談すると、
槍沢ロッジ通過の時間が14時を越えていなければ、山荘の到着タイムとしては安全圏とのこと。
まずは槍沢ロッジ14時。これを目指して歩を進める。

 

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上高地から明神池、そして徳沢、横尾までの数kmは、
起伏がほぼない平坦なルート。
なので基本休憩なしの早足でがんがんタイムを縮める。

 

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途中に出現する徳沢日医大。むかしは隔離病棟だったそうな。おしゃれな造り。


そして横尾到着。
ここが涸沢方面と槍ヶ岳方面の分岐。

 

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そしてここからようやく起伏が出てきます。
森林の程よい木陰と、梓川の水音を横で聞きながら、槍沢ロッジを目指す。

 

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槍沢ロッヂ到着

 

結果、槍沢ロッヂ到着は目標タイムから一時間早い13時。
まあ、やればやれるもんです。

 

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ここでしばしの休憩。昼ご飯はマフィンにチーズ・ハムを挟んでぱくり。


本当はここでバーナー取り出して、マフィンをあぶったり何かして、
チーズをとろけさせちゃったりして、満喫したかったんですが、、、

 

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そんなことをしている時間はないわけで、
バーナー遊びはお預け、よってあぶりもなし、
ぱさついたマフィンにチーズとハムをどかっと挟んで、口に運んで終わり。
何とも味気ない。まあ旨かったですけどね。

 

山の醍醐味に「山メシ」を掲げているはずの我々が、
なんとドライな昼めしを・・・・。
もっと山メシに豊かさを!!!

やはり、山行は計画が全てですね。

 

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ちなみに槍沢ロッヂ、なかなか規模は大きく、
お風呂なんかもあったりで、山小屋にしては充実してそうな雰囲気でした。

 

なお食堂も併設されており、宿泊者以外でもご飯が食べれます。
ランチメニュー、カレーやらラーメンやら中華丼やら、種類は違えどそれぞれ1000円。
まあ思ったより手頃なんじゃないでしょうか。

我々は滞在時間15分くらいでしたが、
お気になった方はぜひ。

 

さて槍沢ロッヂに別れを告げ、
梓川沿いをさらに進みます。

 

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梓川沿いを進むと、そこには・・・

 

徐々に開けてくる山々。
そう、我々はいま渓谷沿いを、梓川に沿ってうねうね歩いているのだと実感できます。

(雪とかみえてきます)

 

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最初、槍ヶ岳が見えるまでどれが槍なのか
分からないまま、なんとなく歩いていたんですが、
渓谷のうねうねを越えると、真っ正面に突如、槍ヶ岳の「槍」が姿を現すんですね。

 

一目みて、男前だなーと思います。
これがうわさの槍か。と。

 

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ちなみに渓谷はとにかく日差しが強い。遮るものがない。
夏はかなり灼けると思います。あと水分と塩分補給はマジでこまめにしないと熱中症になります。

塩分と水分は絶対マメに補充しましょう。


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ちなみにこれ、おすすめです。(特に夏)


槍の中腹にに辿り着くまでにダウン、なんてことにも成りかねないので
ここは注意。

 

 

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殺生ヒュッテ手前、数キロ地点に水場あり

 

 

まだまだ終わらない。槍ヶ岳山荘までの自分との戦い


槍の中腹にようやく辿り着いても
ここからがさらに長い。気を抜かないように。

 

最初、槍ヶ岳山荘かなー、あそこまで歩けば到着かなーなんて思ってた小屋が
実は別の小屋だったりします。(殺生ヒュッテ)

 

ゴールの山小屋かと思いきや

気持ちが折れがちですが、ここはぐっともう一回気持ちをリセット。

 

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殺生ヒュッテ。一瞬ゴールかとおもいますが。なんのなんの。

 

槍ヶ岳山荘はその昔、「肩の山荘」と言われていただけあって、
槍のピークの左肩(槍沢方面を背にして)稜線にちょこんと乗っているわけで、
稜線まで登りきらないと栄光のゴールは切れません。

 

とにかくとにかく
槍の肩を目指しながら、ジグザグに中腹を登り続けます。

 

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しかしながら、中腹からの槍のピークの美しいこと。

この景色を見ながら登れるのであれば何も苦しいことはない。(と今は思う)

 

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そして・・・・上高地から8時間半。
槍沢ロッジから4時間半。

 

ようやく槍ヶ岳山荘に到着。
到着時間は17時半でした。まだ夏だったからね。(7月)
許される時間ではあったけど、まあまあ危ないタイムではありました。反省。

 

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しかし、到着後、客のおっちゃんが驚いてたなあ。

「どこから来たの?え?上高地?1日で?」

 

タクシーのおっちゃんから数えて2人目。
リアクションいただきました。恐れ入ります。

 

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夕刻の槍ヶ岳山頂。凛々しい横顔。


さて、次回はお待ちかねのカオマンガイ
またの名を海南鶏飯

 

タイのごはんですね。
これを飯ごうで炊きます。

 

そして槍のピークに挑戦します。

 

槍ヶ岳カオマンガイをつくる、の巻(2)へ続く

 

 

ブログの更新しないまま、山行増えて、年越える。

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ブログを更新しないまま半年が経ってしまった。

 

ブログを始めるときに

「どんなにカンタンな内容でも、続けることに意義がある」と

どこかのサイトに書いてあった。

 

だが、そんなマメなことが出来るワケがない。

むしろマメにブログを更新している人に言いたい。

すごいね。って。

 

ああ、ブログを更新しないまま

記録に残していない山行だけが増えていく。

あそこも、ここも、

当たり前だが書かないとゆっくり記憶が薄れるわけで。

 

極めて薄い、薄さが持ち前の山行ブログになってしまう。

(もうなっているかもだが)

 

そんな焦る思いを込めて。とりあえず写真だけアップ。

そう。とりあえず。

 

本年も山を楽しく、元気よく。良い年になりますように。

 

そう。ゴールはゆるく、キリマンジャロだ。今も。

 

 

”死の行軍”と執念のカレー自炊 〜瑞牆山・金峰山縦走〜(2)

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ふと思う。

なぜこの瑞牆山金峰山の縦走がこんなにつらかったのか。

 

今でこそ、この山行よりも

標高、勾配、登山時間、どれを取ってもキツめの登山を経験しているが

それでもまだ記憶の中で、この縦走が一番つらい思い出になっている。

 

なぜだろう?と。

 

たぶん、それは

登山中に「心が折れてしまった」から。

 

この時の山行で圧倒的に悪い点がひとつあった。

 

それは、”あと何時間で山小屋につくのか?”

という計算を甘めに読んでいたがために感覚が狂い、心の余裕がなくなったこと。

 

ルートは外さずとも、”心の遭難”をしていたんだろうと思う。

これはある意味物理的な遭難よりも怖いかもしれない。

 

余裕の瑞牆山

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瑞牆山全景(Wikipediaより引用)



瑞牆山花崗岩を主体とした岩山。

山頂付近に近付くにつれ、ガレ場が目立つ。

  

初日山行の予定は、まず瑞牆山頂を目指し、休憩のち下山。

分岐の富士見平小屋まで下って、

 

その足で即、金峰山登山を開始。

当日夕刻までに宿泊先である山小屋、金峰山小屋を目指す、というもの。

 

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地図上の数字だけではざっと7時間。

 

そして、おそらくこれは”縦走”ではない。

体感的にはただ単に2,000m級の山を立て続けに二つこなす、と言ってよい。

しかも1日で。

 

なんとも強気なルートを取ったものだと今でも思う。

 

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登山口の瑞牆山荘から登山を開始して約45分。

富士見平小屋にぶつかる。(標高1816m地点)

 

ここが瑞牆山金峰山の分岐となる。

我々は瑞牆山頂に登頂後、またここまでいったん戻るわけだ。

 

割と瑞牆山金峰山周辺は水場が豊富。

富士見平小屋から歩いてすぐのところにも湧き水があり、

ここで飲料水の補充が可能だ。

 

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瑞牆山は後半、山頂付近の大ヤスリ岩を

前方に見ながらの山行になる。

ガレ場好きにはたまらない景観。 おのずとテンションもあがる。

 

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 富士見平小屋から瑞牆山頂までは2時間ほど。

 

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瑞牆山のシンボル、大ヤスリ岩。山頂からではなく、単独でそびえ立つ。

 

山頂ではコーヒー豆をひいて、

沸かしちゃったりする余裕も。そう。このときはこれくらいの余裕があった。

 

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瑞牆山頂から向かいに、次に登る金峰山が見えた。

 

「あそこらへんが山小屋かなー」

 

なんていいながら美味しくコーヒーをいただいちゃう余裕。

今思えば、この時点からやや時間感覚が狂っていたのかもしれない。

 

はじめての縦走。

 

縦走の場合、地図上の単純合算で時間を見積もるのは危険だ。

実際には疲労や体調によりスピードに影響があるはずで、

やはりここの感覚はまだまだ甘かった。

 

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地獄の金峰山、稜線をゆく

 

さて、一行は瑞牆山を富士見平小屋まで下り、

金峰山を黙々と登り始める。

 

正直、本当にきつかったのか、

ここの記憶は曖昧だ。

 

登山中の写真も、この部分はすっぽり抜け落ち、

撮る余裕すらなかったのか、まともな写真が残っていない。

 

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唯一覚えている記憶が

 

はあはあ言いながら力を使い切り、登りきった先。

てっきりそこを山頂とばっかり思い込み、全ての力を出し尽くしたのだが、

 

そこは山頂ではなく稜線の一番端だったこと。

そしてここで完全に心が折れたこと。

 

そしてそこから1時間〜2時間ほど心が折れたまま

稜線を歩き続けたこと。

 

疲労から時間の感覚が完全に狂い、

山小屋までの到着タイムを見失ったこと。

 

心が折れた状態で、且つゴールまでどれくらいか分からないまま

ただ黙々と数時間歩き続けるということ。

それは苦痛でしかない。

 

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朦朧としながら稜線をたどるの図。数少ない貴重な写真。

 

もはや記憶が曖昧なので曖昧のまま書くが、

おそらく到着時刻は16時くらいだったのではないだろうか。

 

朝の5時に登頂開始。

だとすると11時間歩き続けたことになる。

しかも後半数時間は心が折れた状態で。まさに地獄の行軍だ。

 

いや、行軍なんて格好いいものではないかもしれない。

敗走だ。これはまさに山からの敗走だった。

 

命のカレー。執念の自炊

 

山小屋の写真がない。

たぶん疲労困憊で撮るどころではなかったのだろう。

 

それでも、半ば今回の目的であり、

ある意味疲労の原因であった機材を山小屋のテーブルにばらばらと並べる。

 

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カレー。

地上さながらのカレーを作る。

 

それだけは、それだけはどうしてもやらなければ。

だってやらないと何故来たか分からないから・・・

それはまさに執念だった。

 

ここからはダイジェストで。

 

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冷凍タマネギ・ニンジンを炒める!(うしろの寸胴は関係ないです)

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野菜がしっとりしたらカレー粉投入!

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そして炊く!!飯ごうをバーナーに乗せるという謎のスタイルで!!

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完成!!!


・・・どうでしょうか?

ほんとにただ、カレーを作ってるだけですよね。

特に何のひねりもないです。

 

ただ、本来であれば軽量化とか、

何かを妥協するとか、何かしらの配慮が働き、

コンパクトな山仕様のカレーであるべきところ、

 

ふつーーーーに、

ほんとにふつーーーーーに、地上のカレーを標高2500mあたりで

再現したこと。

 

山小屋のお兄さんには

「頭おかしいんじゃないの?」と失笑されましたが。

 

この点はまあ、ユニークと言えばユニークなんでしょうし、

やろうと思えば出来なくはない、ということを実証できたので良かったです。

もう二度とやりませんが。

 

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悪の元凶のもうひとつ。焼酎をパックごと持ち込むという悪行

 

ちなみに焼酎は疲労から飲み干すことも出来ず。

翌朝山小屋のお兄さんに寄付して帰ってきました。

 

お兄さんも喜んでた(ようにみえた)し、 

まあ、800ml、運んだ甲斐があったもんです。

 


金峰山小屋

www.kimpou.com

 

そんな金峰山

まあ悪い記憶が大半なのですが(自分たちのせいで)

 

山自体は素敵なところなので

最後に山頂の写真を並べて今回はお別れです。

 

ありがとうございました。

山に感謝。

  

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”死の行軍”と執念のカレー自炊 〜瑞牆山・金峰山縦走〜(1)

人の記憶は時間が経つほどに、ある一点だけを強調したまま風化すると言う。

それは、極度に美化されるか、またその逆もしかり。

 

我々のパーティーにとって未だに強烈に記憶に残っている山行がある。

呼び起こされる記憶は、単に”つらさ” の一点のみ。

色々なことがあったと思うが、もはやその印象しかない。

 

「山で何かを作って食う」ということに

悪い意味で自信を持ち、ハマり始めた頃の、”一番調子に乗っていた頃”の話。

 

今回はそんな頃の話をひとつ。

 

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謎の重装

2,000m級の山を数本こなし、山に食材を持ち込むことにすっかり慣れ、

自信と心地よさを感じ始めていたころ。

 

今度は山でカレーを作りたい。

平地キャンプでやっている、本格的なカレーを。

タマネギもニンジンも。一から煮込む。

そして飯ごうも、鍋も持ち込んで作ってみたい。

 

まさに無知ゆえに無敵の発想。そんなことを漠然と考えていた。

 

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頭の中のイメージはまさにこれ。平地のキャンプを山に持ち込む、という無謀

 

そして我々は当時、”縦走”というものをしたことがなかった。

それもやってみようと。

 

”縦走”をする、という表現に憧れ、

なんとなく候補に挙がったのが山梨の北西部に位置する、

瑞牆山金峰山のルート。

 

ここを、鍋やら飯ごう、バーナーにボンベ、そして食材・酒をもりもり担いだ、

謎の重装備にて1泊2日で攻める。

 

今思えばこれはもはや山行ではなかった。”行軍”に近い。

自己満足と、自信過剰さゆえの目的なき行軍。

 

この”行軍”は今のところ、我がパーティー最悪の記憶となって

おのおののハートに刻まれている 。

  

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愛すべきギアたちが心を揺さぶる



”行軍スタート”

 

瑞牆山(2,230m)、金峰山(2,599m)はいずれも

山梨北西部・奥秩父の山域に位置する山塊。

れっきとした百名山であり、山頂からは富士山や南北アルプスを見渡せる。

 

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瑞牆山全景(Wikipediaより転載)

 

未明の中央道から須玉ICで高速を降り、

5時前に登山口である瑞牆山荘へ。ここの無料駐車場から全てがスタートする。

 

この日の参加者は4名。

登山前に全員の持ち物チェック。

 

鍋(カレー用)

飯ごう

バーナー×4

ボンベ×4

クッカー×4

タマネギ(冷凍)

ニンジン(冷凍)

豚肉(冷凍)

米(三合)

水(料理用)

水(飲料用)×各人

酒(芋焼酎800ml)

 

全員が全員、”山で何かを作りたい”という気持ちが強すぎて、

どうしても一人一台、バーナーとクッカーは絶対持ち込んでしまう。

これはどうしてもそうなってしまう。いまだに。

 

で、全員がどこかでそれを使う場面を探して、

毎回おのおの、「ちゃんと使う」。

 

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なので、この日も機材はもちろん、食材についても

誰からも減量の突っ込みが入ることなく、全て山へ持ち込むことに。

強いて言えば、酒の量が多いのでは、という異議はあった。

が、それも束の間、一笑に付されて終わる。

繰り返すが、無知とは無敵だ。無敵艦隊だ。

 

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登山口の瑞牆山荘。ここに無料駐車場がある(YAMAHACKより引用)

 

かくして、空が明るくなった午前5時半。

無知で無敵の行軍はスタートしたのである。

 

 

瑞牆山

山梨県北杜市(旧北巨摩郡須玉町)にある標高2,230mの山で、奥秩父の山域の主脈の一つ。旧須玉町域の最北部にあたる。日本百名山のひとつ。全山が黒雲母花崗岩で形成される。南西部は風化や浸食の影響を受け、独特の岩峰が聳える景観を作っており、地元ではコブ岩と呼ばれる。

 

Wikipedia

金峰山

山梨県甲府市と長野県南佐久郡川上村の境界にある標高2,599 mの山である。別名「甲州御岳山」。山頂部は開けていて360度の展望があり、「五丈岩」という大きな岩がある。

Wikipedia

 

 

”死の行軍”と執念のカレー自炊 〜瑞牆山金峰山縦走〜(2)へ続く 

 

 

 

”煮込みハンバーグ”と土砂降りの地蔵岳

梅雨の鳳凰三山地蔵岳

 

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昨年の6月。

梅雨が抜けるか抜けないかの微妙なタイミング。

天候がやや気になったものの、久々にうずうずしたので山行を決定。

地蔵岳山頂のオベリスクが見たくて、

ちょいと山梨まで足を伸ばしたのでした。

 

南アルプス北東部に位置する地蔵岳(2,764m)は、

観音岳薬師岳に並び、いわゆる鳳凰三山の一角をなす、

れっきとした百名山のひとつ。

 

森林限界を越えてみえてくる、ガレ場。 

いつしか登る山を選ぶとき、”そそるガレ場があるか”を無意識に探しながら

選ぶようになった気がする。

 

この山を選んだ時もそう。

ガレ場に加え、山頂付近のオベリスク。即決でした。

 

この時の山行は1泊2日を予定。

山頂手前の鳳凰小屋で1泊、登山当日か、翌朝一番で

山頂にアタックする予定でした。

 

が、、、しかし。まさかオベリスクどころかガレ場さえ踏めず、

帰ってくることになるとは・・。

 

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青木鉱泉からドンドコ沢沿いを進む

中央道を快調に飛ばし、韮崎ICでインターを下りて

登山口の青木鉱泉へ。

 

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青木鉱泉の佇まいは「鴨居造り」という釘を使わない建築手法で、明治2年の建築を昭和25年に復元建築したそう。


青木鉱泉地蔵岳の登山口に位置する鉱泉旅館。

その歴史は古く、源泉自体は江戸時代から湯治などに使われていたらしい。

 

鉱泉近くの駐車場(有料750円/日:青木鉱泉管理)に車を止め、いざ登山開始。

登山開始時点の天気は快晴。そう。ここまでは・・・。

 

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登山口からは「ドンドコ沢登山道」を選択。

 

基本的に地蔵岳を源流として流れる、

ドンドコ沢沿いを平行して進む。

 

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登山口付近の砂防ダム。補強工事中でした。登山口から暫くは人工物もちらほら。


その日が偶然なのか、いつもそうなのか、

登山道ではほぼ他の登山者と会うことはなく、我々だけ。

静かな山行。

 

青木鉱泉から1時間半ほどで、最初のポイント、

南精進滝入り口の分岐へ。

 

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南精進滝や、その先にある五色ノ滝もそうですが、

登山道がかなり水場に隣接しており、

他の山と比べると水場にはかなり恵まれていると言える。

 

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ちなみに、地蔵岳への山行、

日帰りピストンで臨む登山者も多く、我々のような1泊2日は

鳳凰三山への縦走狙いで来る人たちがほとんど、とのこと。

 

我々の場合、

「山でマジなメシを作って焼酎を飲む」

ということを目的のひとつに置いているので

どうしても泊地が必要になってしまうのですが。

 

天気急変

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山の天気は変わりやすい、

というのはやはり本当で、覚悟はしていましたが

なにもこの日を選ばなくても、というのが最初の感想でした。

 

南精進滝から進んで約30分、周囲に霧が。

登山開始時点で快晴だった空がにわかに暗くなり、

雨こそ降り出さないにしても、気温が降下、一転視界がぼんやり。

 

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その日の韮崎周辺の天気予報は晴れ、降水確率は0%。

しかし、そこは山。まあ分からないもんです。

 足早に鳳凰小屋を目指すことに。

 

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五色ノ滝。鳳凰小屋手前1時間の地点。

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小屋の30分手前地点には開けた沢が(ドンドコ沢上流)。天気さえ良ければここでゆっくり休憩もしたいところだったが。。。

 

山頂断念の失意と・・・煮込みハンバーグ

 

南精進滝分岐から約3時間。

五色ノ滝から1時間ちょっと。小雨がぱらつく中、

鳳凰小屋に到着。

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鳳凰小屋は地蔵岳山頂の直下、2,400m地点に位置する、

収容人数150名程度の山小屋。

鳳凰小屋

予約・問い合わせ:鳳凰小屋連絡所

TEL : 0551-27-2018 (8:00-19:00)

春期 4月末~6月末(要予約) 夏期 7月~10月末 冬期 11月~年末年始(要予約)

 

水場もあり、山めしをメインとする我々からすると便利な環境でした。

 

時刻は13時。

山頂までは+1時間弱。ピストンで帰ってくるまで1時間半。

さて、山頂アタックはどうするか。

小雨であれ、本日中に決行するか。

 

パーティー一同、考え抜いたあげく(10秒)、

その日の山頂は断念。

 

もう、めし作って飲もうと。

そういうことになりました。

 

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メニューは、ハンバーグ。

そして、ご丁寧にも飯ごうを持ち込んでの白飯。

米を炊き、ハンバーグをこねるところから、作ります。

 

材料は以下の通り。

 

ハンバーグの種(ひき肉+塩・こしょう)を冷凍したもの×2つ

煮込みハンバーグ(市販の物)×1つ

米(2合)

 

ハンバーグの種はジップロックに冷凍して持ち込み。

登山中に自然解凍を狙ったものの、気温の急降下も相まって、半解凍。

まあこれもご愛嬌です。

 

そして、どうせなら煮込みを、ということで

ひとつだけ市販の煮込みハンバーグをデミグラスソース欲しさに購入。

このソースを各ハンバーグでシェアする、ということにしました。

 

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山小屋でひき肉をこねこね。なんとも奇異な光景。

そして米。

我々のモットーとして。米だけは妥協しないという掟があるので、

 

米はどんな環境でも、一から炊きます。

なので、飯ごうを持ち込みます。

 

生米から、バーナーに火をかけて、じっくり炊き込みます。

 

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ほんとは飯ごう持ち込んでるので、

薪をくべて、直火で行きたいところなんですが、そこは山。

「山でどうしても米を炊きたい」場合は、バーナーで直に炊く、という

意味分からないスタイルになるわけです。

 

ちなみにこの尖ったスタイルをやり過ぎたおかげで、

山での飯ごう炊飯、かなり極めまして、

どんな環境であれいまだ失敗したことありません。

 

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ハンバーグはそのまま行くもよし。後半は煮込んでもよし。

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霧でかすむ地蔵岳山頂をうらめしげに見つめながら、

目の前には肉汁あふれるハンバーグ。

 

もはや何のシチュエーションか意味不明ですが、

やはり旨い食べ物はどんな環境であれ幸せにする力を持っているようで、

旨ければ全てよし。だから山料理はやめられない。

 

 

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鳳凰小屋からの地蔵岳山頂。うっすらとオベリスクが・・・・

 

ちなみに、その夜、

未明にかけて土砂降り。

 

山小屋の天井を雨音がたたき、その音で起きるほどの豪雨に見舞われ、

翌朝の山頂アタックは泣く泣く断念。

オベリスクを拝めず、山小屋にハンバーグを作りにいった、というだけで

山を下りることに。

 

まあそんなこともある。

だから山は面白い。

 

いつか。地蔵岳のリベンジを夢見て。

 

 

 

 

チーズフォンデュ的なものと”秘湯”煙草屋旅館 〜那須岳縦走〜(2) 

朝日岳より隠居倉、そして”秘湯”煙草屋旅館へ

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朝日岳山頂をくだり、稜線をたどって隠居倉へ。

名前は山っぽくないですが、隠居倉自体も標高が1819m。

 

それにしても隠居倉って面白い名前。

名前の由来が気になります。

 

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隠居倉から煙草屋旅館への下りはかなり急勾配。

斜面は全面に残雪。これはさすがにアイゼンがないと滑り落ちる危険が高く、

全員アイゼン着用。

 

下っていて思ったが

峰ノ茶屋の分岐にて、半ばフィーリングで朝日岳経由の右回りを選んだものの、

仮に左回りを選んだ場合、これを煙草屋から隠居倉山頂へ逆ルートとなると

正直かなりきつかった。

 

地図情報によると

下りが30分程度なのに、上りの平均タイムは約1時間。

且つ雪の斜面となるとプラスどれくらいになるんだろう。

(それはそれで面白いが)

 

 

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峰ノ茶屋あたりから気付いてはいたが、

那須岳周辺は場所によって濃度の違いこそあれ、常に硫黄臭がつきまとう。

活火山であることを考えるとそれもそもはず、ではあるものの、

改めて周辺が火山地帯であることを再認識する。

 

隠居倉から急斜面を下るとさらに匂いがきつくなり、

点在する噴気孔からは白煙が。

 

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噴気孔周辺の泥。泥パックのように粒子がきめ細かい。


噴気孔から流れる温泉に手を触れるとかなり熱々。

まさに天然温泉そのもの。温泉付近の泥をさわるとさらさらでした。

何かの温泉成分と化学変化的なものを起こしてるんでしょうか。

 

さて、隠居倉をくだって30分強。いよいよ泊地、

煙草屋旅館へ到着です。

 

 こんな山小屋あっていいのか・・・環境としては最良な煙草屋旅館

 

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チベット・・・行ったことないですが

何かの写真でみたチベットの山小屋・・佇まい・・

そんな既視感を得た外観でありました。僕だけかもしれませんが。

 

新館・旧館が渡り廊下で繋がる地上二階建て。

山中に突如現れる割には、何ともしっかりした造り。

 

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そして何より、山小屋に風呂がついているという贅沢さ。

これはもう、山小屋と呼んではいけないカテゴリなんでしょうね。

そもそも「旅館」と自称されてるわけですからそうなんでしょうけど。

 

ちなみに「煙草屋」の名称の由来は

元々地上で(黒磯の駅前でとのこと)煙草屋を営んでいた屋号を

そのまま山小屋にも当てた、とのこと。

 

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相部屋、雑魚寝が当たり前の山小屋にあって、

個室(たぶん運良く)、風呂付きってのはこんなに恵まれてよいのか、と

ちょっと拍子抜けになるほどでした。

 

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お米は年に一回ヘリで空輸、卵は人力で運ぶそうです。

 

そして2食付き。メニューのバリエーションも充実。

 

 毎回、山小屋は素泊まりで通してきた我がパーティー。

それは単に、自分たちでヤマメシを作ることも含めて山の愉しみであったわけで、

山小屋から出されたご飯を食べる、というのは初めてだったのですが、

こんなにバリエーションに富むものなのでしょうか。

(ちなみにお米が食べ放題でした)

 

宿の主人にお話を伺うと、

お米は年にわずか一回のみ、ヘリで空輸するそう。

 

アルプスみたいに山小屋が多い山系は山小屋が共同で定期的にヘリを呼び、

山小屋同士で物資と予算の融通を利かせるため、

むしろ定期的な物流ルートが確保されているようだが、

那須岳のように山小屋が少ない地域では予算の兼ね合いもあり、

空輸の機会も限られているとのこと。

 

個人的には朝ご飯に卵が出たのが静かな驚きで、

どうやって運んでいるのか気になっていたのですが、これは人力とのこと。

段ボールにまとめて卵をつめて、角に緩衝剤を入れ、背中に背負うことで

以外と割れるのは防げるとのこと。

 

これは我々にも応用できるかも。卵料理、どこかで挑戦したいと思います。

 

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毎回の静かな愉しみ。焼酎はペットボトルに入れて持ち込みます。今回は黒霧島

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ちなみに露天風呂は入浴時間に制限なし。

(内湯もあり。これは男女により入浴時間制限あり)

 

良いお湯でありました。ぜひお試しください。

なお、煙草屋旅館の源泉となる三斗小屋温泉の発見は

1100年代とのこと。平安時代ですね。

  

 翌朝、そして茶臼岳へ

 

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5月頭だったものの、夜の気温が約5℃。

季節の割に極寒の、長い長い夜(消灯21時)を過ごし翌朝。

 

朝風呂もしっかり入って、茶臼岳に向けて出発です。

 

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周辺地図(再掲)

煙草屋から茶臼岳にかけては

最初平坦な道をとぼとぼと歩きます。

起伏もほぼなく、ピクニック感覚。

 

気持ち早めに1時間半強くらいで麓の避難小屋に到着。

小休止を経て、茶臼岳(峰ノ茶屋分岐)に向けて稜線をあがります。

 

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ふたたび峰ノ茶屋分岐へ。ここから茶臼岳山頂へ。


峰ノ茶屋分岐から、茶臼岳山頂にかけては

ごつごつした岩場をひたすら上り。

 

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火山だなー、って感じですね。

匂いも硫黄臭がさらに強く鼻につく。

 

峰ノ茶屋から40分ほどで茶臼岳山頂に到着します。

 

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山頂、那須嶽神社。鳥居が下界を見下ろします。

茶臼岳山頂はうす鉢状になっており、

外輪を周回して山頂に回り込む形になります。

 

山頂からちょっとおりたところにロープウェイ駅も通っており、

山頂付近にはロープウェイ客もかなり多めでした。

 

 

那須岳、そして煙草屋旅館1泊。

交通の便や宿泊(煙草屋が特別なんでしょうが)が整備されており

ライトに縦走を楽しむという点ではかなりお勧めかとおもいます。

もちろん日帰りでも。

 

ぜひお試しを。

 

三斗小屋温泉:煙草屋旅館

■一泊二食付き9000円(2018年5月時点)

三斗小屋温泉 煙草屋旅館|那須の秘湯「三斗小屋温泉」の宿(那須塩原案内所)

TEL1:那須塩原案内所
0287-69-0882(AM7:00~PM8:00)

TEL2:現地衛星公衆電話
090-8589-2048(AM7:00~PM8:00)